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Junk Mind D.N.A.

ことばがかいてあります。

胸の奥深くに突き刺さる

深く深く、あまりに深すぎて
それが突き刺さっていることを忘れてしまっているような
自分でもそれの存在に気付くことがないような

そんな棘を、誰でも持っている


指先に刺さった棘は、不意に気付く
掌を重ねようとしたときであったり
グラスに手を伸ばしたときであったり
鋭く小さな一瞬の痛みが
その存在を主張する

深く突き刺さった棘は、抜けない
傷口を広げなければ、抜くことも出来ない

傷口からは血が流れ、血が流れなければ傷は癒えない

棘が刺さっていることに気付けば
その棘を抜かずにはいられない

棘は傷を作る
でも、棘が刺さっている限り
その傷口は広がることはない
時折、鋭い痛みを走らせながら
その傷口を塞ぎ続ける

傷をつけながら、痛みを走らせながら
傷口を塞ぐ


誰でも胸の奥深くに棘が刺さっている
果たせなかった約束だったり
考えなしに口から出た言葉だったり
失敗だったり、裏切りだったり、別れだったり

抜けずに、刺さったまま
その棘は 傷口を塞ぐ

時折走らせる痛みで、その存在を忘れさせぬようにして

刺激しなければ、痛みは走らない
でも、痛みがなければ存在に気付かない
棘があること、あったことを知らなければ
僕らはまた、同じ棘を刺してしまう


棘そのものには、何の意志もない
ただ、大切なものを守るための防護策でしかない
精一杯の、抵抗でしかない

でも、知っている
サボテンの棘は、姿を変えた葉なのだということを

少ない水を精一杯手に入れるための、葉なのだと

身を守るための棘
棘があることを知ってしまえば
その棘の存在に意味はなくなる
迂闊に茨に触れる者が存在しないように


抜けなかった棘は、いつか腐り落ちる
傷口でなかった場所をも巻き込んで、壊死させる

棘は、抜かなくてはならない
傷口から血が流れても
より強い痛みに涙を流すことになっても

刺さっていることに気付かないまま
腐って肉が死んでしまう前に


棘を見つけるには
痛みを手がかりにするしかない
目に見えないほど小さな棘は
痛みでしか探し出せない

痛み

体を守るための、最も原始的な機能
危険を知らせてくれるもの
限界を知らせてくれるもの
傷ついたことを、教えてくれるもの

誰もが目を背け、必死に避けようとするもの

自ら進んで身を刻むような人は
どこにも居やしない


棘を抜くために
痛みを手がかりに棘を探し
自ら身を刻んで傷口を広げ
血を流し

そうして初めて、棘の傷痕は消える


でも、癒えた傷口は、消えない
傷があったこと、痛みがあったことは
忘れ得ない

だから僕らは同じ痛みを避けるために
用心深くなってゆく

棘で得た痛みから
僕らは少しずつ学び
成長する

痛みから、己が身を守るために


それがきっと、棘の役割



だから俺は、棘になりたい
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  1. 2008/01/21(月) 00:29:59|
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