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Junk Mind D.N.A.

ことばがかいてあります。

墨で塗り潰したような、真っ暗な夜。闇。星も雲も、どこにもねえ。

声に出すつもりなんて、なかったのに。
気がつけば──



言われるまでもなく、気付いていた。ただ、言葉にしてしまうのが、こう……鬱陶しかっただけだ。
別にびびっていた訳でもない。それは自信がある。意味はないが。
言い訳じみた内心を笑うように、紙コップが間の抜けた音を立てた。
ついでに握り潰して、放り投げる。当たり前のように、ゴミ箱には届かなかった。
ため息をひとつ。オーケー、俺が悪かった。
認めよう。言葉にして、はっきりしよう。
熱量だ。俺から消えていたのは。
浅い眠りを繰り返すような、時計の針を刻むような、そんな暮らしに慣れて、甘えていた。
立ち上がって、一歩、二歩。手を伸ばすのは、潰して歪んだ紙コップ。今となっては、ただのゴミ。
俺だって同じようなモンじゃねえか。
もう一度握り潰して、握りしめて、ゴミ箱に放り込んだ。

気分が晴れない日でも、胸を張って歩くのが癖になっている。出来るだけ足早に歩くことも。
歩き慣れたこの道なら、尚更だ。
今みたいな真夜中だって、昼間と変わらず歩ける。
帰巣本能。借り物の、湿けっぽい、狭い、息苦しい、臭い部屋でも。
奥歯が、ぎしりと鳴った。
知らず噛み締めていた奥歯から、顎から、力を抜く。
自分の意志で足取りを止めて、空を仰ぐ。
墨で塗り潰したような、真っ暗な夜。闇。星も雲も、どこにもねえ。
声に出すつもりなんて、なかったのに。
何を声にするつもりなのかも、意識すらしていなかったのに。
気がつけば──
俺は、叫んでいた。


「僕らの青年期~叫び」(未完成)より。
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  1. 2016/09/19(月) 20:57:43|
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