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Junk Mind D.N.A.

ことばがかいてあります。

凍れる清き真昼の光に

窓の外をぼんやりと眺めている
ここからは大したものが見えない 見えやしない
増して今は深夜 国道を通るトラックすら 今日は見えない

橋が見える みかん色の街灯に浮かび上がるまっすぐな橋
見えるものといったら せいぜいそれくらい
おかげで僕が見たいものが何だったのか
思い出せずにいる


本棚を見てみる
僕を虜にした 幾つかの物語
それぞれの人が それぞれの世界を それぞれの手法で
「本」という統一された姿で 僕に示してくれた

ありがとう そして これからもよろしく

カーテンの隙間から誰かが覗いているような気がした頃があった
鏡の中から何かが這い出てくるような妄想にも取り付かれた
消えたテレビのブラウン管から真っ白な手が伸びてくる
灯りを消すと天井がゆっくりと下がってくる
布団がゼリーになって僕を飲み込んで行く

全部 自分を追い詰めるための幻想

気付いたことが幾つかあって
でも 口に出して良いタイプのことじゃなくて
その度に僕は「ああ、やっぱりここは違うんだ」と
泣きそうになりながら 無理矢理笑う

だって ここから出る方法を もう知っているから

求めた場所 見たかった景色 聞きたかった声
欲しかった人 追い続けたかった夢 消したかった自分
忘れたかった 記憶

全部 全部が僕なんだから
もう いいじゃないか

いつの間にかこんな歳になってしまっていたけれど
それでもまだ 大丈夫

僕は何一つ変わっていないし
子供の頃とは全然違う

ダメだったとしても 大丈夫
それくらい なんとでもなるよ

ゆらりゆらりとゆれる ジェリーフィッシュのように
触れるモノを傷つけながら 波に揺れる

眠って起きれば きっと良い天気
窓の外には また違う景色
明日は明日の 新しい僕 新しい空気

明日は少し煙草を控えようか
紅茶の淹れ方を勉強してみようか
ちゃんとしたご飯を作って食べようか
部屋の窓を開けて空気を入れ替えようか
柔軟体操をして新しいパジャマに着替えて
丁寧に髭を剃ってゆっくり湯船に浸かろう

今の僕には それが出来る
ほらね? もう子供じゃないでしょう?

真昼の光を氷に込めて
ずっと仕舞っておけたなら
グラスに氷とウォッカを入れて
時間をかけて 光を飲もう
暗く静かな夜の最中で
僕は真昼の夢を見る
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  1. 2005/12/04(日) 02:03:13|
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