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Junk Mind D.N.A.

ことばがかいてあります。

秋の渇いた風に向かって歩く

キミの背中を、ボクはただ
古い映画のワンシーンのように
眺め続けていた



何かを思うことは、出来なかった
ただ、目を閉じず、記憶に焼き付けることしか

金色の夕陽が、キミとボクの間を隔てても
吹き抜ける風が、落ち葉を舞い上がらせても
秋の並木道を歩き行くその背中は
胸を締め付けて、泣きたくなるほど綺麗で
駆け寄って声をかけることなんて、
思いつきもしなかった

出逢いを経ない別れというのがあるのなら
きっとこういうことなのかもしれないと
頭の隅に、そんな言葉が浮かんだ

肩口で切り揃えたキミの髪が揺れて
キミは静かに掌を添える
足取りは軽やかで、でも穏やかで、ゆっくりとしていて
まるで目に映る全てを愛しているかのような
そんな姿だった

去るキミの背を目だけで追いながらボクは
感情にロックがかかってしまったかのように
ただ茫洋とその光景を眺めていた
浮かぶ言葉は全て見当違いに思えて
誰かが勝手に語っているような気がして
それが自分自身の言葉だなんて、思えなかった

欅の並木をキミは通り抜ける
上り口のカーブに差し掛かる
キミの姿は、もう遠い
風は徐々に強くなり
夕陽は色を濃くしてゆく
風は徐々に冷たくなり
夕陽は陰り始める
空を往く雲も薄くなり
青空は既に紫色に染まっている

キミの姿は、消えてしまった

出逢いを経ない別れというのがあるのなら
どんなに残酷なことだろう
恋心を感じることもなく、ボクの恋は終わった

少し早い、秋の夜が訪れて


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  1. 2013/10/19(土) 20:06:50|
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