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Junk Mind D.N.A.

ことばがかいてあります。

夏の記憶

たくさんの記憶



その中に、人間の姿はない

焼けたアスファルトの匂い
木々の間をすり抜ける風の音
陽炎
流れる汗の心地良さ
遠くに見える入道雲
青空
蝉の声と、乾いた足音
どこまでも続く上り坂を越えて
僕は岐路に居る

そんな記憶

何故だろう? 寂しいと思ったことはなくて
ただ、疑問だけはある
「どうしてみんな、ひとりが寂しいと思うのだろう?」
答えは知っている
ひとりじゃないときの安心感を知っているから

でも、と思う
僕は誰かと一緒に笑い合っているときよりも
夕暮れに吹く風が湿り気を帯び始めて
見上げた空の向こう側の積乱雲が目いっぱいに背伸びをして
雨の、夕立の予感をしっかり感じるあの瞬間の方が
もっと、ずっと安心出来る

雨上がりの虫の声や蛙の声が
網戸の向こう側に満ちている
そんな瞬間の方が

エアコンの効いた室内より
風通りの良い木陰に腰を下ろして
蟻や蚊を手で払っている方が
孤独を感じずにいられる

惜しみなく降り注ぐ陽光が
髪を、肩を、背を焼いて
空気さえも焦がしている時間の方が

刺激的な日常より
五感の全てを際限なく広げられる日々の方が

逃避なのかもしれない
原初記憶のせいなのかもしれない
ただ、疲れているだけなのかもしれないけれど
それが僕の、夏の記憶


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  1. 2014/08/11(月) 21:19:55|
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